噛み合わせ治療、新神戸歯科|藤井佳朗 — 寝たきり高齢者の日常生活に対する歯科治療効果

院長藤井佳朗

院長紹介
藤井佳朗日本医用歯科機器学会理事
噛み合わせと全身との関連
を考える会顧問
日本歯科東洋医学会
日本歯科保存学会など、
参加学会多数。
■著書■歯科からの逆襲
咬合のマジック など

歯科からの逆襲

学会発表

過去の学会発表をご紹介します。

寝たきり高齢者の日常生活に対する歯科治療効果

【目的】
高齢社会では、いかに痴呆、寝たきりなどにならず、自立した生活を維持することが課題である。高齢者に関しては、咬合、咀嚼が全身の健康維持や寝たきりお よび痴呆の予防などのために重要な役割をはたしていること、また咬合、咀嚼機能の低下が全身の病的老化を進行させる因子になりうることが示唆されている。 今回は無歯顎を含む多数歯欠損かつ、義歯未装着者で寝たきりの高齢者に対して行った義歯装着により治療効果を検討した。

 

【対象】
寝たきり高齢者で厚生省の「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」(1991)でB-1以上、さらに上下顎合計18歯以上の欠損、あるいは18歯未満の欠損であっても上下歯牙同士の対合関係の無い患者32名を対象とした。

 

【方法】
前述判定基準に基づき、患者をJ1からC3までの8段階に分類し、義歯装着前に比べ義歯装着後に3段階以上の治療効果が得られたものを著効、2段階のもの を有効、著効と有効の合計を有効率とした。なお義歯制作に関してはアプライドキネジオロジー等の東洋医学的手法も取り入れた。

 

【結果】
著効7名(21.9%)、有効3名(9.4%)、無効22名(66.8%)、有効率31.3%であった。著効、有効群は全員義歯を使用したが、無効群22 名中には義歯使用を拒絶した14名(43.8%、無効群の63.6%)が含まれている。義歯使用拒絶群は全員日常生活活動能力の向上はみられず、有効率は 0%であった。義歯使用拒絶群を除く義歯使用群18名に限れば、有効率55.6%だった。

 

【考察】
義歯を使用さえしてくれれば寝たきり老人患者の半数以上に日常生活活動自立度の向上がみられることが示唆された。義歯使用拒絶の原因としては義歯装着時の違和感や手入れの煩わしさなどが考えられる。

 

【結論】
寝たきり高齢者の日常生活活動能力の向上に義歯使用を中心とした歯科治療が有効な場合が多いことが示唆された。咬合、咀嚼は、口腔領域のみならず全身に対しても強い影響を及ぼしており、今後さらなる研究が必要である。

 

 

1999年11月13日
日本歯科東洋医学会
会場:愛知学院大学楠元校舎講堂
藤井 佳朗
藤井 沖正


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